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学術集会

第10回石川腎不全看護研究会学術集会を終えて


(第10回学術集会当番世話人)
澤田清美(みずほ病院)
杉岡奈三重(地域医療機構 金沢病院)

 平成が終わり、新たな令和の時代が始まりました。ひまわりが青空に生えるよき日、令和元年8月4日(日) に第10回目の石川腎不全研究会学術集会を終えることができました。テーマ「その人らしく、持てる力を引き出す支援 地域包括ケアシステム-患者・家族を中心とした支援の輪-」を基に講演や研究発表により、盛り上げてくださった先生方や参加してくださった皆様に深く感謝したいと思います。昨年に引きつづき、石川県立中中央病院、会議室にて開催致しました。学会は会員26名・非会員51名(合計77名)の方に参加していただきました。
 基調講演は当研究会の顧問、田村幸子教授(神奈川工科大学)に腎不全看護領域の専門家と最近の要請の動きについて、透析看護認定看護師と慢性腎臓病療養指導看護師(DLN)を中心にお話しいただきました。慢性腎不全の患者・家族がその人らしく生きるために、専門家として、多々ある研修・研究会から選択し、必要な知識を賢く学びとらなければと思いました。
 実践報告は透析看護認定看護師、向出美穂さんに腎不全分野の専門家として、日々活動されている内容をわかりやすくお話しいただきました。看護職への「エビデンスに基づいた対応」、「病棟ラウンドによる患者の生の声を聴く」等、透析医療チームの中心として質の高い看護をめざし、ご活躍されていることを伺い、大いに参考になりました。
 研究・事例発表はその人らしく生きるために患者・家族の意思決定支援を支えた2事例と透析継続を終了し、在宅で看取りを希望した家族へのアンケート調査の報告でした。どのような健康段階においても「患者家族の思いを聴く」意思決定支援の重要性が発表されました。参加者からは在宅で看取りを希望した家族へ関わりに対する質問が多く、人生最後の段階でその人らしく生きる支援とは何か、チームで考えながら、日々研鑽していく必要性を感じました。コメンテーターの宇都宮宏子先生からは現在の点をつなぎ、人生の最後をどうするか?どう生ききるか?1か所ではなく、地域包括ケアシステムシステムの多職種チームでサポートする大切さが語られました。
 ランチョンタイムでは森本ゆかり会長から研究会の今までの活動報告をしていただき、これまでの皆様との歩みを感じることができました。
 スイートシンポジウム特別講演では宇都宮宏子先生(在宅ケア移行支援研究所)を招き、『地域で“暮らす”、そして“生ききる”に伴走する看護 aging in place(この町で暮らし続ける)をかなえるために~」をテーマにご講演いただきました。最初にご自分の体験から「エイジング・イン・プレイス:住み慣れた地域でその人らしく最後まで」の重要性を話されました。日頃からの暮らしを知ること、病気の軌跡により暮らしづらさが出現し、それでもどう生きたいか、生きることをあきらめないこと、生ききることに伴走する患者を真ん中にした支援の大切さを学びました。GWでは羽咋病院とみずほ病院で連携した事例を基に①「看護でよかったところ」②「私だったらこうする」を視点にGWで意見交換され活発に発表されました。その都度、宇都宮先生のコメントをいただき、参加者全員がよい支援がしたいと士気が高まった雰囲気を感じとることができました。この学びを明日からの看護に役だて、患者様に還元できたらと思います。
 最後になりますが、第10回学術集会開催にあたり、一般会員・賛助会員の皆様、ご協力いただいた企業の皆様に熱く御礼を申し上げると共に、今後ともご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

 


基調講演

実践報告

特別講演

GW事例提供者

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