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研修会

2014年度研修会 透析部門の災害対策(看護面から)

 2014年度石川腎不全看護研究会研修会が10月26日、石川地場産業振興センター新館第10研修室で開催され、県内外から48名の参加がありました。今回は「透析部門の災害対策(看護面から)」というテーマで、東日本大震災の経験に基づく透析施設の災害対策について、受け入れ施設として奮闘された、独立行政法人地域医療機能推進機構 仙台病院 技師長の槇 明弘先生と、実際に大津波による被災を受け、大変な体験をされた、多賀城腎泌尿器クリニック 看護師長の秋山 勝俊先生より貴重な講演をいただきました。さらに、石川腎不全看護研究会で行った、災害対策の実態調査の報告、「自施設の課題とその対策、明日から行いたい取り組み、看護師としてどのように関わるか」を視点とした、グループ討議が行われました。
 前半は、東日本大震災で想定外の被災状況と言われる中、両施設とも、地震・津波を想定した訓練を行い、患者が誰もが無事透析を継続できるという、素晴らしい看護をなさっていました。施設の被災状況のスライドを見るたび、今も胸がつまる思いがします。あのような中で、誰もが、自分だけでなく、患者の命をも守りきり、冷静に対処できたことは、しっかりとしたマニュアルの作成、徹底した看護師の訓練の賜物といえると思います。災害時には平時以上のことはできず、業務の処理能力は平時以下となります。普段行っていることを少し変更する程度とすることが基本となることを学びました。情報手段をいかに確保し、人員の安否、被災情報をいち早く得ることも、自分の行動の方向性を決めるためには重要であることを学びました。具体的な情報確保の方法を提示されたことなど、研修の内容は、透析室の災害対策に十分参考になることと思います。
 後半は、石川腎不全看護研究会で事前に行いましたアンケートの内容を紹介し、災害対策に実際を紹介した後、①明日から何ができるか。②自設の課題とその対策。③看護師としてどのように関わりたいか。を討議の論点として、グループ討議を行いました。自設の災害対策、訓練など取り組みを紹介し、さらなる災害を想定した訓練の取り組み、マニュアルや手順の見直し、災害対策の強化など必要性と、重要性を感じ取って頂けたと思います。やや看護師としてのかかわりに関する内容が、少なかったように感じましたが、自設に戻り、透析スタッフと内容の検討を行っていくことを望みます。
 最後になりましたが、本研究会にご協力頂きました講師の先生方、共同開催をいただきました協和発酵キリン株式会社に厚く御礼申し上げます。

石川腎不全看護研究会 世話人
加賀市民病院  大田 一美

 

講師の先生を囲んで 県内の災害実態調査報告 グループ発表の様子

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