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研修会

2017年度研修会
『腎不全患者の終末期』を終えて

 去る11月5日に独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)金沢病院 イデアホールに於いて、2017年度石川腎不全看護研究会研修会を開催し、会員・非会員含め49名の方にご参加をいただきました。
 今年度の研修会のテーマは『腎不全患者の終末期』とし、2つの特別講演と、シンポジウム「腎不全医療における終末期の現状と課題~看護師が直面していること~」と題し県内施設から3事例の報告をいただきました。

 県立石川看護大学特任教授・県立西田幾多郎記念哲学館館長でもある、浅見博先生の講演では、「終末期医療」「エンドオブライフケア」の歴史から概要、そして臨床での終末期医療の考え方、捉え方について広く、分かりやすく講演していただきました。

 東海中央病院 透析看護認定看護師の薄井園先生の講演では、「終末期透析患者との関わり」と題し、腎臓病患者さんに対してのエンドオブライフケアについて、より具体的に、症例紹介も含め日々の具体的な看護・関わりについてお話ししていただきました。

 エンドオブライフケアの定義として「診断名、健康状態、年齢に関わらず、差し迫った死、あるいはいつかは来る死について考える人が、生が終わる時まで最善の生を生きることができるように支援すること」とうたわれています。「死」という一点を見つめるのではなく、いつかは来る「死」というものを認識した上で、これからどうしたいかを実現するために今をどう生きるかを問うもの、生きること、生きていくことに焦点をあてたケアだと考えます。

 また、シンポジウムでは症例報告後、短い時間でしたが参加者がグループワークを行い、情報交換・交流が行え、各自施設での終末期患者さんとのかかわりについてより具体的な振り返りができました。

 今回の研修が各施設において、腎不全患者の終末期の看護についてのヒントや実践に繋がればと思います。
 最後になりましたが、本研究会研修会にご協力頂きました講師の先生方、共同開催をいただきました小野製薬株式会社様に、厚く御礼申し上げます。

石川腎不全看護研究会 世話人
公立松任石川中央病院 長瀬 ゆか

今回のプログラム

10:00~10:05  開会の挨拶 余田 昭彦(石川腎不全看護研究会 副会長)
10:05~11:35  特別講演1 人工透析におけるエンドオブライフケア
   座長:森本 ゆかり(公立羽咋病院)
   演者:浅見 洋 先生(石川県立看護大学 特任教授 ・ 石川県西田幾太郎記念哲学科 館長)
12:30~14:00  特別講演2 透析患者さんにおける終末期の関わり
   座長:余田 昭彦(浅ノ川総合病院)
   演者:薄井 園 先生(公立共済学校法人 東海中央病院 透析看護認定看護師)
14:20~15:50  県内施設からの報告「腎不全医療における終末期の現状と課題~看護師が直面していること~」
   座長:橋本 智美(石川県立中央病院) 寺下千恵(金沢大学附属病院)
  1.余命宣告された、がん終末期透析患者と家族へのかかわり
     奥 聖子(浅ノ川総合病院 透析センター)
  2.透析の見合わせを選択した家族へのかかわりを振り返って
     菅村 美由紀(加賀市医療センター 腎臓ケアセンター)
  3.終末期透析患者・家族の気持ちに寄り添ったチームケア
     田中 加奈枝(みずほ病院 2病棟)
15:50~16:00  閉会のご挨拶 森本 ゆかり(石川腎不全看護研究会 会長)

 


特別講演1 浅見先生の講演風景

特別講演2 薄井先生の講演風景

県内施設からの報告セッション

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